毎日、どの器を使うか。
私にとってとても大切な選択の一つです。
器一つでお料理の見え方は一変し、直に触れる手や視覚からは器の持つ個性やエネルギーを感じられるような気さえし、
食卓で過ごす時間が有意義なものになります。
今回は私が日々好んで使っているお気に入りの器をご紹介させていただきます。
掛谷康樹さんの練り上げの器

広島県福山市に工房を構える掛谷康樹さん。
異なる色の陶土を組み合わせて模様を作り、
それを器の形に成形する「練り上げ」という技法。
表面だけでなく、器の内側にも模様が現れるのが特徴で独特な趣があります。

こちらの器は5年ほど前に世田谷にあるギャラリーで購入したものでサラダや煮物、
パスタや和え麺などの汁気の少ない麺料理に使うことが多いです。
山田洋次さんの御深井焼の平皿

滋賀県信楽にて作陶されている山田洋次さん。
代表作といえばスリップウェアですが、
この夏私が出会ったのは「御深井(おふけ)焼き」と呼ばれる器です。
植物の灰を用いた釉薬「灰釉」で、焼成中、鉄分によって淡い青色や黄緑色に発色し青磁のような色合いになります。


釉薬が持つガラス質のため表面がつやっとして「貫入」とよばれる細かいヒビが入るのも特徴です。

壷田和宏、亜矢さんの冷麺皿

宮崎県高千穂町の標高約1,000mに位置する山の中に自宅兼工房があり
私も4年前に訪問させていただきました。


壷田和宏さん、亜矢さんご夫妻はとても優しくおおらかで
初めましての私にもとても親切にしてくださりお昼ご飯もいただくことに。

勤め先でも、毎年壷田さんご夫妻に器を製作していただいていて
今年は「冷麺皿」を作っていただきました。

今年の型はどんぶりや鉢皿としても使える仕様なので、幅広いお料理で使用でき重宝しています。
また今回の作品は新窯で焼成されたものなので、器の表情が豊かで、個性的なものばかりでした。
私は灰がのった還元気味(空気が少ない)の青っぽい仕上がりが好きなので、こちらを購入しました。

豆皿

薬味、塩、つけだれ、おつまみなどちょっとしたものをのせる時に便利なのが豆皿です。
和洋中、ジャンルを問わずバラバラと使うのが好きですが、中でもお気に入りは骨董の豆皿。

右下:珉平焼(明治)
中央上:御深井焼(江戸幕末頃)
左下:瀬戸焼 型押し(明治)
こうした背景のある器を使うことで、
器以外にも身の回りのものを、自然と丁寧に、大切に扱うようになった気もします。
割れにくいものや食洗機、電子レンジにかけられたり、壊れても代替え品をまたすぐに買えるなど、手軽で便利なものもありますが、
私は毎日使うものだからこそ自分の器を育てるように長く愛用していきたいと思っています。